「2008年1月」アーカイブ

視察報告④ さいたま市の子ども読書推進活動

さいたま市では、さいたま市の子ども読書推進活動計画と学校図書館資源共有ネットワーク推進事業について説明を受けました。

さいたま市の子ども読書推進活動について

 さいたま市子ども読書推進活動計画は平成18年3月に策定された5年計画である。
同計画では、「さいたま市は不読者ゼロをめざします」として、小中学生の不読者率(平成17年度で小学生7.9%、中学生25.2%)を平成22年度までにそれぞれ0%とする数値目標を掲げているのが特徴である。
 その実現のため、特に学校図書館を活用した読書活動を充実する目的で「学校図書館資源共有ネットワーク推移事業」が進められている。
 その特徴は「さいたま市のこどもたちは日本で一番本が好き」の実現をめざして、全小中学校158校に学校図書館司書を配置すること、学校図書館用コンピュータを整備すること、資源共有ネットワーク便の運航を拡大すること、学校図書館支援センター及び市立図書館と学校との連携を促進することを主な内容としている。
 平成19年度には、全学校への司書配置とコンピュータ整備が完了したほか、151校に司書教諭発令が完了、学校図書館への市立図書館の協力も拡大している。
 特に学校図書館支援センターは市立北浦和図書館の一部に学校図書館支援用の専用書架を設置し、総合的学習の時間や教科学習などで学校著館を活用する際の団体貸し出し図書資料を整備し、週上下2便のネットワーク便で共有活用する事業として注目される。
 学校図書館が、読書活動センター機能と共に学習センターとして機能するためにはこうした資源活用策の充実が不可欠だと思われる。
 ご案内いただいた教育委員会の先生から「こうした活動の異結果、さいたま市では学力も向上しており、特に読書力が必要とされる学力テストの国語Bについては政令市でもトップクラスだと自負しています」とお聞きしたのが印象的であった。
 
 その後、さいたま市立大谷場小中学校を訪問し、学校図書館活動の実際を見学させていただいた。
 同小中学校はJR南浦和駅に近い中規模校で、平成13年に小中一体型の新校舎となった。
 同校の学校図書館は、小中共用で教室6教室分とすばらしく広く、小中それぞれ一人で2名の司書が配置されているため、毎日どちらかの司書が常駐することで、図書館利用率も大幅に増加している。
 コピー機やパソコンなども設置され、図書の貸し出し等はバーコードで管理されている。中学校の生徒達は、生徒手帳に貼り付けたバーコードをかざすだけで、手続きができる。履歴も管理できるため、生徒自身はもとより、読書活動の全体像もつかむことができ、その充実のための資料として活用されている。共用のため蔵書も圧倒的に多い。
 生徒の図書委員会の活動では、各学級から男女1名計30名が毎日昼休みと放課後に貸し出し当番を分担。ポスターの作成や読書活動への呼びかけなど自主活動を行い、多い費には昼休みだけでも200人以上の入館者があるとのことであった。 
特に小学生に比べて読書量の落ちる中学生の図書館利用について、平成18年度の貸し出し総数9263冊、一人あたり16.7冊平均の貸し出し実績は注目される。同校の報告では、図書館整備がなされた平成14年度以降は、それ以前に比べて貸し出し実績が2.5倍にも伸びている。
 同校望月校長先生のお話では、読書量を上げるため「1万ページ読破」目標を掲げて取り組んだところ、次々に読破する子ども達が出てきて嬉しい悲鳴を上げているとのことであった。
 また、司書職員さんからは、小中一体で2名の司書配置をはじめ、小学生に中学生が読み聞かせをして上げたり、中学生が絵本に親しんだりなど一体型図書館のメリットは大きいことなどのご報告があった。
 司書職員の身分については、ここでもやはり嘱託であり給与は年間200万円強であったが、雇い留めの制度はないとのことであった。司書の情報交換や研修に充実など、三鷹市と同様、身分保障と職務の質を向上させる取り組みが今後の課題であると思われた。

視察報告③ 川崎市の市立病院事業の視察

 17日午後は川崎市にうかがい、同市病院局経営企画担当主幹の中川原氏から市立病院事業の健全化についてのヒヤリングを行いました。

川崎市の市立病院事業の経営改善について

 川崎市は平成17年度に、それまで赤字続きであった病院事業を公営企業法の全部適用をはじめ、患者サービスの向上、人事給与制度の改革などによる単年度黒字化を実現したことで知られている。
 北九州市では経営が急激に悪化した平成18年度において、川崎市の病院事業の場合はどうであったのかを中心にお聞きした。
 川崎市の病院事業(直営2病院)の平成18年度における純利益は約7億6000万円で、前年度に引き続き単年度黒字となった。2病院をあわせた事業収益は、約235億円で全年度より約62億円増加した。
 延入院患者数は4.6%減少し、平均在位院日数は基幹病院である川崎病院で平均2日間短縮したが、入院単価が1788円増加したことなどにより前年度に比較して1億6000万円の黒字となった。事業費も1億円増加したが、純損益では4670万円の黒字となっている。
 平成18年度の病院事業をめぐるが外部的環境の変化についてたずねると「確かに厳しい状態はありますが、特に前年と大きな変化はありません。これまでの取り組みを淡々と続けるだけです」とのお話だった。
 経営健全化計画の進捗状況は年度ごとに報告されており、平成18年度については別紙のとおりである。
 この間の健全化計画をふり返って、重要だったのは、医師を含む人事評価制度の導入と特殊勤務手当の見直しだった。特に、医療事業はメンタルな要素が業績に大きく反映する分野だと感じている。医師をはじめ医療スタッフのモチベーションを高めたことは大きかったとの感想であった。
あわせて、現在、指定管理を導入している多摩病院についてお聞きした。
 同病院は、聖マリアンナ医科大学を指定管理者として平成18年度に開院した。患者数が予想を上回るペースで増加し、増床を前倒しするなど対応している。
 指定管理は30年と長期に契約しているものの、実際には運営上の課題について指定管理者との協議を余儀なくされる実態があり、多くの課題を抱えている。

視察報告② 国立国際子ども図書館の視察

2日目の午前は、国立国際子ども図書館の視察を行いました。

国立国際子ども図書館の視察について

同館は平成14年に全面開館したわが国初の国立児童書専門図書館だが、その建物は、明治33年に着工され6年後に開館した旧帝国図書館の建物を保存・再生したものだけにルネサンス様式の重厚な外観をしている。同館では、斉藤館長をはじめスタッフの皆さんにヒヤリングと見学のお世話をいただいた。
 同館は「子どもの本は世界をつなぎ、未来を拓く」との理念に基づき、内外の児童書とその関連資料に関する図書館サービスを国際的な連携の下に行うため、国立国会図書館の支部図書館として設立された。
 基本的な役割を「子どもへのサービスの第一線にある国内外の図書館と連携・協力を図り、かつ、その活動を支援し、子どもの本と出版文化に関する広範な調査研究を支援するナショナルセンターとして機能すること。子どもたちに読書の楽しさを伝え、図書館や本の世界に親しむきっかけを与えることを目的とした各種のサービスを実施すること。」としている。
 同館には国内外の児童図書約25万冊のほか、多数の関連資料・電子資料などが収蔵されている。サービスについてはⅰ閲覧サービス ⅱ展示イベント ⅲ学校図書館等との連携としている。このうち、閲覧では内外9000冊を置く「子どものへや」や世界120の国や地域の各国語の本を置き国際理解を深めるための「世界を知るへや」などがあり、自由に閲覧できる。
 また学校図書館等との連携では、学校図書館を支援することを目的として、子どもたちが世界の国々への理解と共感を深めるための世界各国の児童書約40冊をセットで1校につき1ヶ月貸し出しするサービスを実施している。平成18年度には173件8009冊を貸し出している。ただし、貸し出しは無料だが、図書を返送する郵送料は各学校の負担となる。
 児童図書のナショナルセンターとして、これからもその活動を充実してほしいものだが、同館は開館後まだ時間もたっておらず、学校図書の支援などサービスについても未だ十分認知されているとは言い難い現状にある。国の財政削減の動向もあり、国民市民の関心を高めることが求められているようだ。

視察報告① 三鷹市の学校読書活動について

 1月16日から18日にかけて市議会の確認を得て個人視察を行いました。個人視察制度は、議会改革のあおりで今年度に終了しますので、私の最後の個人視察となりました。(この制度は、いろいろな課題について公式に視察できる良い面があったので残念です。議会改革も、議員本来の活動を狭めてしまうこのとないよう考えたいものです。)
 今回は、三鷹市とさいたま市で学校図書館活動、川崎市で市立病院改革それに東京都にある国立国際子ども図書館の見学を行いました。以下、日を追ってご報告いたします。なお、同視察の成果は北九州市議会の3月議会で大いに活用させていただいたことをあわせてご報告いたします。(3月17日)

  三鷹市の学校読書活動について

三鷹市議会では、まず市立図書館の学校支援と、学校図書館の地域開放業務についてお話をうかがった。
 三鷹市では、学校図書館システム整備が完了した平成15年度以降、学習図書の団体貸し出しについて学校間が協力して図書を利用する「学校間協力貸出」が行われている。
市内22の小中学校を、運送業者に委託した運搬車が巡回して図書を活用するもので、平成19年度は1月まででのべ281校が貸出依頼を受け1468冊の図書資料が貸し出しされている。運送業者委託による学校間物流が確立されて、各学校は大きく負担を軽減されている旨のご報告があった。
 また学校図書館の地域開放は、学校週5日制に対応し、小学校では未就学児童親子、中学校では近隣市民も含めた利用を視野に入れて実施されたもので、毎週土曜日の午前9時から正午に開館されている。
 利用対象が児童生徒とその保護者等とされていることや、開館時間が9時からの3時間とされていることから、必ずしも利用頻度は高くなく、18年度で、1校1日あたり小学校で10.7人、中学校では3.1人にとどまっている。開館時間の繰り下げによる午後開館など、今後の検討課題となっている。

 さて、三鷹市では平成7年度から「新しい学校図書館整備」が行われてきた。
 その特徴は以下のようなものである。
  ・学校図書館の設置場所や位置を考え、地域開放にも利用できる場所としたこと
・学校図書館の広さは最低2教室分とし、OA床とした上でカーペット敷きとす  るなど静かで落ち着いたものとするほか、冷暖房完備、子どもの視線にあった書架設置など配慮されたこと。
 ・各図書館に図書管理用パソコン1台、検索用パソコン3~4台を設置し、子ども    達が自由に調べ学習などの取り組めるよう配慮したこと。
 ・市立図書館と学校図書館とがインターネットで結ばれており、どの学校からも蔵    書などのデータ検索が可能となっていること。
  ・専任の司書を全学校に1名ずつ配置したこと。
  ・市立図書館や学校間で図書資料等が共同利用できるシステムを確立したこと。

このシステムは平成14年度には完成しているが、その結果、各学校では「大幅に蔵書が増えたこと、また学校図書館が親しみやすい雰囲気になったことなどにより、児童生徒の利用人数や貸し出し冊数共に年々増加している。これまであまり図書館を利用したことのない子ども達も、授業などで積極的に利用する機会が増えたこともあって、新しい学校図書館の魅力や居心地の良さに気づき、自発的な利用が大幅に増加していることは大きな成果である。さらに専任の司書が常駐していることによって、子どもと本、教師と本、授業と学校図書館をつなぐ重要なパイプ役としての役割を果たすことができるようになった。その結果、子ども達の読書や学習へのアドバイスを行たり、学習情報の収集・提供、教師と連携した授業へのサポートを行っているため、子ども達の読書活動や学習活動の改善充実に大きな成果を上げている。」(三鷹市立第六中学校報告より)

 そこで、三鷹市立第一中学校を訪問し、学校読書活動の実際について、司書職員の白木さんらからお話をうかがった。
上記報告の成果は同司書さんも「子どもたちの読書活動は間違いなく充実されました。」と述べられた上で「ブックトークなどで司書が子どもたちに本絵を紹介すると必ず借りていってくれます。」と司書の果たす役割の大きさを強調された。
 また、現在では学校図書館への人的配置をボランティアで行うところもあるが、読書支援などに専門的知識を持つ有資格司書の配置が望ましいとの意見も述べられた。
 同司書の待遇は10年で雇い留めの嘱託、年収は200万円強という所であり、専門職としての保障については今後の課題となりそうである。
 本来は、司書教諭の専任化が望ましいが、経過的には、身分保障の検討を行った上で司書職員配置を行うことが現実の選択となっていると思われる。

同中学校の図書館は、広さ2教室分。整理整頓されており暖房も入って快適であり、昼休みは子どもたちであふれるとのことであった。昼休みなどの図書貸し出しは、図書委員が行うので、司書はそれぞれの子どもに声を掛けながら、アドバイスや本の紹介を行う。
試験用の図書紹介や、子年にちなんだ展示コーナーなどでも設置されており、工夫がなされていた。
 また、別室の学習準備室では、修学旅行前の学習用共材の準備が行われていた。司書と教師の連携授業である。漫画は移動書架に収められて、必要以上に流れないような工夫もなされていた。

杉田久女忌においで下さい。

今月21日は、北九州の生んだ天才女性俳人・杉田久女の命日です。
久女ゆかりの小倉北区円通寺で久女忌が行われます。
どなたでもご参加いただけます。
詳しくは、昨日付の私のブログをご参照下さい。
アドレスは SERAちゃんhttp://pub.ne.jp/serachan/ です。

新年明けましておめでとうございます!

明けましておめでとうございます。皆様におかれましてはお健やかに新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。
 昨年中は、北橋健治北九州市長を誕生させていただきました他、県議選や参院選などでも勝利させていただき本当にありがとうございました。おかげさまで市政では、子育て、福祉や教育、環境、地域経済振興などを重視した市長マニフェスト40項目のうち、昨年中にすでに38項目を実現ないし着手することができました。私も、緊張しながらも北橋市長と手を携え、仲間と共に必死に政策論議を展開し、多くの成果を上げさせていただいたことに心より感謝申し上げる次第でございます。
 しかし、北九州市には、いまだ多くの重要課題が山積しております。
 市民生活に係わる各重要課題に真正面から取り組み「人に優しく元気な街・北九州」を実現するため私もさらに邁進して参ります。本年も皆様の変わらぬご指導ご支援をお願い申し上げます。
 この一年の皆様のご健勝とご活躍をお祈り申し上げております。

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