「国の政治は: 2016年9月」アーカイブ

民進党代表選挙候補者討論会ひらく

民進党代表選挙の実施に伴う候補者の討論会が、九州では唯一、久留米市で行われましたので、出かけました。

党員やサポーターの皆さんの選挙で、旧民主党を引き継ぎ、再生をめざす最大野党・民進党の次期代表が誕生します。一体、誰を選べば良いのでしょう。考えあぐねておられる方もおいででしょう。

 

私は、民主党が敗北し政権を離れて以来、党を再建し支持率を回復させるには

①    自民政権とは違う、より良き社会ビジョンの確立 

②    政治的な実行力、政策実現性の担保とロードマップの提示

③    代表による国民へのわかりやすい説明と、説得力の獲得

の3点が不可欠だと考え、機会あるごとに関係者(過去二代の代表には直接の機会にも)に訴えてきました。

民進党初の代表となるべき候補者の皆さんは、これらをどう考えておられるでしょうか。代表選挙候補者討論会で、それぞれのお話を興味深くお聞きしました。

民進党代表選挙討論会.jpg

 

希望を感じた討論会

 

まず、印象としては、どなたのお話も大変わかりやすく、説得力があり、民進党を先頭にした政治勢力の躍進にかける意気込みには素晴らしいものがあると感じました。

どなたが代表になっても、代表を支えて一丸となって頑張っていければ、きっとまた国民に信頼を得て政権を担うにふさわしい民進党が作れるのではないかと希望を感じました。

党内の統率については、三候補とも一番大事だと口揃えておられましたが、蓮舫さんが「こんなに明るい雰囲気の中で代表選挙を行うことができるところまできました。」とおっしゃったのは、きっと私たちだけではなく、三候補自身も感じておられたことなのでしょう。大変印象的でした。

 

さてその上で、三人の候補者のご主張は、少しずつ重点の置き方が違うように感じました。

以下、私の感想を述べてみます。

 

蓮舫さん.jpg

蓮舫さん

 

まず蓮舫さんは「ワクワクする政治」「蓮舫路線」の実現を訴えました。語り口の歯切れの良さ・発信力には定評がありますね。

党の代表が、国民に語り掛け、わかりやすく説明する能力については、高く評価できるでしょう。(つまり③はぴか一ですね。)

ただ一方、現政権に立ち向かい批判するばかりでなく「提案する」としている、その中身は一体どのようなものなのか、社会ビジョンや、政策的な内容については、やや総花的で明確ではない気がしました。

討論会では、こうした点は「党内には、前原さん、玉木さんなど優秀な方が多数いらっしゃる」と、むしろ他候補に依拠する姿勢に見えました。(これはこれで代表としては間違いではないと思いますが。)

また「既得権や癒着と闘う改革政党」とする民進党の位置づけは、かつての事業仕分けのような行政改革の再現を思わせます。

既得権者をあぶりだし標的にする「行政改革」が、無用な国民の分断と対立を増幅させる社会を克服することに寄与するだろうか、「暮らしの改善」を切実に求めている現在の国民に受け入れられるのか、真摯な検証が必要ではないでしょうか。

この点では、前原候補が提唱している「みんながみんなのために」という「新たな政権構想」は、これらを強く意識する内容となっています。

 

前原さん.jpg

前原誠司さん

 

その前原さんの特徴は、新たな社会像・国家ビジョンを示すことを明確にして強調されている点が特徴的でした。(つまり①はぴか一ということですね。)

前原さんは民主党政権で中枢を担ったベテランらしく、これまでの民主党政権時代に失敗についてまず「お詫びしたい」と深く頭を下げました。

そのうえで、「現政権との対立軸となる新たな社会像を示す」ことが重要だとして「すべての人が負担をし、すべての人が受益者となることで、分断を乗り越え希望をわかちあえる社会」を目指したいと考え方を述べました。その新たな政策の柱が、久留米出身の井出英策先生との勉強会によるものであることも明かしておられました。

負担という痛みを分かち合いながら、「必要の原理」に基づいて、生存と生活の基礎的ニーズを満たし、分断と対立を乗り越え、希望の社会を作ろうとする提案に私も大いに賛成です。

 

しかし、実は、井出先生の論述の重要な柱の一つは、日本社会がどのようにして今のような「租税抵抗」を生み出したのかという点にあったと私は思っています。

井出先生は画期的な純増税案であった「社会保障・税一体改革」が、結局、国民に理解されず、増税延期に至ったのは「受益の乏しさ」だったと指摘されています。(「分断社会を終わらせる」筑摩書房等)

前原さんは「増税は、一方で負担軽減につながることを理解してほしい」と述べましたが、結局、日本政治は国民の租税抵抗を緩和することに失敗したのでした。

では、そのうえで、どのようにして「誰もが負担し分かち合う社会の実現」に至るか、それこそが政治の責任というものではないかと私は思います。

 

「増税論議を避けない」「自衛隊が位置付けられていない現憲法の在り方を論議することを避けない」と腰を据えて議論していこうとする前原さんの姿勢は、大変立派で重要だと思いますが、しかし、今は、民主党政権での失敗を踏まえて、どこから反転攻勢をかけていくのかを、わかりやすく国民に語り掛けることが一番求められているのだと思います。

 

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玉木雄一郎さん

 

その点を、三人目の代表候補・玉木さんは、端的に指摘されているように感じました。

氏は「時間がたてば、私たちへの支持も回復するだろう。そんな待ちの姿勢でいても、事態は全く改善しない」とし、「子ども国債」5兆円の発行による「子育て・教育予算の倍増」を訴えました。

玉木さんは、元財務官僚。エッジの聞いた具体的政策を掲げて、まず国民の新たな期待を呼び込んでいこうとする強い意志が感じられました。(つまり②はぴか一といえるでしょう。)

 

討論会でも、前原さんの財源論が大事とする意見に対して、玉木さんは「必要なものは借金してでも実施するのが政治」との主張でしたし、自衛隊の憲法上の位置づけについての意見についても、玉木さんは「大変重要だが、当面、それが優先されるとは思わない。自衛隊が無原則に海外に派遣されることに反対する」と述べておられましたが、これらも、どのようにして民進党を取り巻く当面の閉塞状況を打開するかという課題を意識しての発言だと感じました。

玉木さんの国会での取り組みなど、党内での評価は高いとお聞きしています。その資質を活かして、今後とも大いに活躍してほしい方の一人だということができるでしょう。

 

9月15日に新代表を選出

 

以上、民進党代表選挙討論会のお話をお聞きしての、私の感想をざっと述べさせていただきました。

どなたが代表となっても、皆さんが一丸となって、それぞれの特徴を生かして、民進党の課題である①②③がどれ一つ欠けることのない素晴らしい政党として再生してほしいものと、私は願っています。

 

12日までの投票に臨まれる党員サポーターの皆様、またこれからの最大野党・民進党の行方にご関心のおありの方々の何らかの参考になれば幸いです。

民進党の新代表は9月15日の臨時党大会で選出されることになっています。

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