「調査や見学: 2011年8月」アーカイブ

「学校の耐震化は急ぐべきです」 東大地震研で

昨日は東京で一泊。今日は、東京大学地震研究所をお訪ねして、広報アウトリーチ室助教の大木聖子先生にお話しをうかがうことができました。
先生は、3月11日の大震災をふまえて今年6月にNHK出版から「超巨大地震に迫る」という本を出版されています。
私はこれを読み、私たちこれから震災対策を進める視点を整理するためにも、ぜひお目にかかってお話をうかがいたいと思ったのでした。
快くお会いいただいたのですが、考えてみれば翌日は、関東大震災の発生にちなんだ「防災の日」。地震学関係の先生方が一番忙しい時期であったはずでした。後で大変恐縮してしまいました。

さて、先生には「今後の地震発生のリスクを、我々の地域としてどう考えたらいいのでしょう」「地域防災計画の見直しにあたって留意するべき点は」「群馬大・片田先生が、当市のアドバイザーについてくださっていることについて」などなど、次々にこちらからお聞きしながらご教示いただきました。

詳細はこれも別途報告とさせていただきますが、私が「北九州地域は、これまで地震が少ない地域で安全であるという認識をもっているのですが」とお聞きすると「そんな考えは直ちに捨ててください。私たちは、できるだけ惨事が起きてほしくないと思っているので、ついバイアスをかけてしまいがちです。でも地震学者で誰一人、絶対(強い地震が)起きないという人はいませんよ。」とたしなめられてしまいました。

その上で、文科省の「地震ハザードステーション」のサイトで詳細が見られるとおり、各地域でどのような地震の揺れのリスクがあるかを検討しながら「大きな地震はどこでも起きうる。」との認識で、地震防災を考える事が必要だとご指摘いただきました。
また、避難所として使う学校の耐震化は大変重要であり、まず積極的に推進するべきであること、地震防災という文化を身につけるにはやはり子どもたちへの教育が重要であることなど、様々な観点からのお話しをいただきました。
私も、それなりの勉強をしておうかがいしたつもりでしたが、津波防災を含めた、北九州市の震災対策のあり方についても、改めて基本から考え直さなければならないなと痛感しました。

伝統ある東大地震研を辞した後は、この日午後から、官製ワーキングプアをつくらない「公契約」のあり方などについて、専門家のお話をお聞きすることができました。
1泊2日の短い調査行動できしたが、課題の凝縮した意義ある2日間であったと感じています。今後も、極力こうした調査行動を計画したいと思います。 
 

柏市でスマートシティなどを見学

一定の地域全体を、環境に配慮した「低炭素型」に整備しようとする「スマートシティ」の様々な取り組みが各地で試みられています。(もちろん北九州市の八幡東区東田地区もその一つです。)
そこで今日は、千葉県柏市議会にお世話になり「柏の葉スマートシティプロジェクト」を見学させていただきました。
このプロジェクトは、最近しばしばメディアで取り上げられているのですが、失礼ながら、柏市で低炭素型のまちづくりで先導的なプロジェクトが進んでいるとはあまりお聞きしたことがなかったので、ぜひ現状を知りたいと思いました。

現地では、柏市役所の企画調整担当リーダーの石名坂副主幹をはじめ、アーバンデザインセンター三牧副センター長や三井不動産の現地プロジェクト統括の中田さんなどが迎えてくださり、ご案内いただきながら説明を受けました。ありがとうございました。
もともとの構想は2008年の「柏の葉国際キャンパスシティ」というつくばエキスプレス・柏の葉キャンパス駅を中心とした周辺約273ヘクタールに「公・民・学」が連携して26000人が暮らす次世代都市を造ろうとする構想があって、「スマートシティ」はその柱の一つのプロジェクトです。
ここには、かつて三井不動産系が運営していた名門ゴルフ場・柏ゴルフ倶楽部があったのだそうですが、これが閉鎖。隣接して、旧陸軍施設で戦後米軍に接収されていた広大な国有地があり、ここに東大キャンパスをはじめ、国有施設が集中立地してきたため、この地域一帯を環境に配慮した先進的な国際キャンパスシティとして区画整理方式で再開発しようという計画となりました。
新たな都市計画を進めるには、大変恵まれた条件であると言えるでしょう。
詳細は、別途報告を作成しますが、プロジェクトの進捗はまだ半分といったところでしょうか。それでも、街のエネルギー使用の見える化やコミュニティサイクル・カーシェアなどエリア交通システムなど、いろいろな実証実験も始まっていました。(カーシェアに使用する電気自動車はベンツ製で、私は初めて見ました。写真)

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ksiwa1.jpg今後、商業施設・オフィスやホテル・住宅も含めてCO2排出半減をめざす「148街区」など「柏の葉スマートシティ」の中心施設群が姿を現すのは2014年だそうです。
「北九州市のスマートシティ」のよきライバルとして、今後の展開を楽しみにしながら、引き続き「柏の葉スマートシティ」の進展をフォローさせていただきたいと思っています。

より安全に!進化するマンホール鉄蓋

私が日頃お世話になっている基幹労連福岡県本部(品川浩二委員長)のお誘いを受けて、日本有数のマンホール製作メーカーである「日之出水道機器株式会社・佐賀工場」の見学をさせていただきました。
マンホールといえば下水道のあの鉄製の丸く重いふたがすぐにイメージできますが、これがすいぶん進化を遂げているのですね。
昭和44年以前のマンホール鉄蓋は、素材も悪く、次第に隙間があくことでガタつき、騒音など多くの問題を抱えていたそうです。それが改良され、鉄蓋がはずれないように鍵がついた他、密着性が高く騒音も少なくなったため広く普及するようになりました。
それでも近年、ゲリラ豪雨などで汚水が逆流して水が噴出、蓋や周辺がが破損して部品が飛散するなどの問題が指摘されるようになりました。また、蓋がしっかり締るため時間の経過とともに、開閉など維持管理に課題が生じる、さらに段差ができることで高齢者のつまづきや、蓋が滑るなどの問題が起きてきました。
そこで、同社では「最新型の鉄蓋」を開発し、普及をはかっているとのことで、その技術力をデモでも示していただきました。
最新型の鉄蓋は、蓋枠との接点を改良、蓋が圧迫されすぎず汚水が逆流しても力を逃がしながら破壊をさける工夫がなされたほか、表面もスリップを防止する加工がほどこされています。
デモでは、圧力がかかっても水が噴き出した後、もとにもどる様子が確認できました。


北九州市でも多数のマンホールがありますが、現状は従来型がほとんど。最新型は少しコストが高いとのことですが、万一の事故を考えれば、浸水が予測される地点のマンホールから段階的に取り替えるなどの措置がとれないかなど、私たちも検討していきたいと思います。
それにしても今日は暑い日でした。その中で、自動化されているとはいえ、鉄を溶かしながら鋳物の鉄蓋を製造するお仕事は、大変暑くご苦労なことだなあと感心しました。こういう労働者に、日本のモノづくりはしっかりと支えられているのですね。
(写真は、1.圧力がかっても蓋が破損せず水が噴出する様子。2.車が通っても大丈夫。3.マンホール内への落下防止用のはしごもセットされている。4.歩道用の滑らない蓋。)

 

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